【不平等?不公平?善悪はあるのか?】”実力も運のうち 能力主義は正義か?”の紹介と活用【自己啓発本の紹介】

著者:マイケル・サンデル(ハーバード大学教授)
原題:”The Tyranny of Merit: What’s Become of the Common Good?”

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実力も運のうち 能力主義は正義か? (ハヤカワ文庫NF) [ マイケル・サンデル ]

価格:1320円
(2023/10/9 00:13時点)
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これは、私に大きな影響を与えた一冊の紹介です。
私のスタメン書籍15冊の一つです。
社会に大きな反響を投げかけた一冊です。それなのに、あまり自己啓発の書籍のオススメにでてきません。

この分野で、別のブログで安藤寿康先生の”生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋“の紹介も書きましたが、本書も双璧でおすすめです。

自己啓発本を求めている方々、つまり、このページにたどり着いて頂いた方々には、ぜひ一度、実際に読んで頂きたいと思っています。
著者のマイケル・サンデル先生は、ハーバード大学の教授をしておられる方で、NHKにも出演されたこともある有名な先生です。

さて、社会の平等というものに関して、なにか違和感を感じたことがありませんか?
この社会は何か間違っている、会社終わってる、日本終わってる、と感じたことはありませんか?
私は漠然とですが、なにか変な感情がありました。

日本の社会では、古くから年功序列型の社会となっていましたが、能力主義という言葉も結構前から浸透してきています。
確かに昔と比べ、才能がある人々は羽ばたきやすい、より自由的な社会・インフラになったと思います。

でも、私を含め普通の人々は、普通に生きていくのが精一杯で、私には能力がないから、と悲観的になったりすることがあります。
プロフィールにも記載していますが、私はあまり有名ではない某SNSのヘビーユーザーで、日々多くの方々のココロの叫びを聞いています。

まさに”悲痛”です。

この書籍は、どちらかというと苦悩されている方々への救いの書ではありませんが、自分を構成する信念・哲学を改めて見つめ直すことができる良書です。

本書のテーマは、能力主義(メリトクラシー、業績主義、能力評価)の社会に関してです。
能力主義社会(メリトクラシー)という現在主流となる考え方に対する問題点という視点から、現代社会の問題について探求したものとなっています。

能力の関係上、私では事細かく解説はできませんが、以下にポイントを記載します。
シンプルに要約し、私なりの本書の活用方法を記載します。
詳細は実際に本書を読んで頂けたら幸いです。

社会における成功と価値の評価が運や幸運ではなく個人の能力と努力に基づくという、現代社会の主流の考え方、つまり能力主義(評価主義)に焦点を当てています。
能力主義として、個人の成功を評価して、その報酬を与えること。その状態は不平等を増大させ、社会の連帯感を減少させていると記載しています。

成功の評価が個人の能力や努力に依存する、そんな評価社会では、

  • 成功者は自己満足感を持ち、多くの社会的な評価や経済的な報酬を得る。
  • 失敗者は不幸感や出来損ないという自己評価を抱え、当然ながら評価や報酬は低くなる。

ここからが本書の本番です。

この能力評価の考えは、生まれつきの特権や幸運についての議論が不足していると投げかけています。
なぜなら、成功者が生まれながらにして持っている資産や背景が成功に影響を与えていることが示されているからです。

それは”不平等な社会”じゃないか?と訴えていて、それが”善”な社会なのか?そういうことを投げかけています。

成功を努力だけの結果として捉え、社会的な不平等を正当化する社会。
生まれつきの特権や幸運について考慮されることが少ないと問題視しています。
成功者が持つ生まれつきの優位性についても議論に追加し、社会的な公正と平等に向け、新たな視点を考えなくてはならない、と述べられています。

つまり、かなりの議論的な内容となっています。

そんななかでも、私個人的には、平等という言葉を使ったときに正当化のような雰囲気に結び付くという捉え方にビックリしました。
考え方が正しいとか間違っているとか、そういう話しではなく、そのような概念がサンデル先生のような層にはあるということが大切で、つまりは自身の言動にちょっと注意を払わないと危険かもと意識できるようになる、そのことが大切です。

例えば、こんな状況があった場合、どうしましょうか?

「研修の機会は平等に与えている。時間もチャンスも平等に与えている。できない奴はできない奴が悪い」

どう思われますか?
生まれながらにして持っている資産や背景に対する配慮がかけていますか?

このように思想を深めてくれる自己啓発書は人生にとってとても良いものだと思います。
なお、これは私個人的な見解ですが、自己啓発本は何十冊、何百冊もたくさん読めばいいとは思ってなくて、これだという書籍を決めておいて、状況に応じて何度も何度も見直すことが大切だと考えています。
この本があなたのバイブルとなり、何度も読み返して頂けるようになれば非常に嬉しく思います。

今日の自己啓発書籍の勉強のまとめ。

  • 生まれながらにして持っている資産や背景が成功に影響を与えている。
  • 成功を努力だけの結果としている社会、それは不平等を正当化する社会。
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