改善させるためにこういうことをしましょう、というような自己啓発本はそこそこ読んできましたが、「この私の本を読ませて下さい」とアドバイスが書いてある本に初めて出会ったかもしれません。
その文章は本書のはじめの方に書いてあったので、そのときは「宣伝?」と疑問符が頭の中に浮かんできましたが、少し読み進めていくと、なるほど、確かに読ませるべき内容の一冊だと感じました。
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【特典】こうして社員は、やる気を失っていく(松岡保昌 監修「社員のやる気を高める」付箋) [ 松岡 保昌 ] 価格:1760円 |
リーダーのための「人が自ら動く組織心理」を理解するために松岡保昌先生が書かれた一冊。
こうして社員は、やる気を失っていく
次のようなネガティブな発言が負の組織構造を作っている一因でもあると記載がありましたが、このブログのみ、正直な感想を書きます。
あくまでも私の環境の私の感想ですが、私の会社、風土、偉い人々に対して、こりゃダメだ終わってんなと感じます。
みんなこの本を読め。そう思えます。
なるほど、確かに他の人にも読んでほしい書籍です。
いい1冊に出会えました。
著者のまとめの文章をピックアップすると、企業は働いている人のモチベーションが極めて大切で、とにかくモチベーションを下げるような行いはやめよう、と書かれています。
多様性が叫ばれている昨今、働き方、働くということの考え方も、人それぞれであり、人それぞれが選択していけばいいと思います。
昇進したくない、管理職になりたくないという方やその働き方も、私は尊重します。
しかし、すでに管理職や部門長、経営者になっていたり、上の職位で昇進したいと思っている人たちは、しっかりとその職位の、立場の責任を持って臨んで頂かないといけません。
勘違いしている上の人たちが多いように私は感じているため、はっきりと言います。
人の気持ちを理解できず、人とうまく付き合うことができず、寄り添えるところがルールとか決まりごととか、そんなところしかなく、支配あるいは責任逃れの仕組みを構築、運用することに躍起になっている偉い人たちは害となる存在です。
モチベーションを下げるような行いはやめなくてはなりません。
ただいくら害となる存在でも、叩き潰すわけにはいきませんので工夫していかなくてはなりません。
かと言って、人の気持ちの分からない偉い人にこの本を読むよう勧めるのも賢明な手段とは思えません。
「変化を嫌う人」を動かす、という書籍に記載があるような手段に頼らざるを得ないのかなと感じています。
「アウトプットの価値が低いことや退職者・休職者がなくならない原因は、やりがいやモチベーション、気持ちの面に起因している」という客観的事実を、小さく何度も繰り返して表現し、1人でも多くの人の気付きにつながればと思っています。
さて、本書籍の内容から自分事になってしまいました。
モチベーションを下げる要因を取り除こう、というテーマで本書は書かれていますので、大部分でそのようなことが書かれています。
やる気を奪う上司や疲弊していく企業の、リアリティに富んだ例がいくつも挙げられていて、ひとつひとつの例に対して、本来はどういうふうにやるべきか、どういうふうに対策すべきかということが丁寧に記載されています。
ひとつひとつの例が、実際の職場で発生している問題のある事象と同じだったり、似ていたりして、鮮明に状況をイメージできるようになっていて、内容がスムーズに入ってきます。
マネジメントしている人向けの書物ではあるとは思いますので、私には必要ないと判断される方もいるでしょうが、少なくとも真面目に管理職、経営者という職位をやろうと思う人には、相当におすすめしたい一冊です。
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